レッスン講座 ・ 2018年

2018/11/28  ミュート

パームミュート 今日はミュートのお話しです。

ミュートには、音を消す奏法と音色を変える奏法があります。 ベースは、基本的に単音を奏でる楽器ですので、音を消す奏法は必須です。 地味ですが、とても重要なテクニックです。

一方、音色を変えたいときにもミュートをすることがあります。 ここではその両方を説明して行きたいと思います。

音を消す

弦楽器は、ピッキングをした弦以外の弦が鳴っていると、音が濁ってしまうことがあります。 特にベースは音が濁らないように、ピッキングをした弦以外の弦をミュートする必要があります。

ミュートは、左手、右手、どちらでも行います。 2フィンガー奏法のとき、右手はフィンガーレストやピックアップの上に親指を乗せることが多いと思いますが、1~3弦をピッキングするときには、右手の親指を4弦に乗せ換えると、4弦をミュートすることができます。 これを初めのうちから意識しておくことで、後々自然にミュートすることができるようになります。

左手のミュートは、フレットから弦を離すことでできます。 このとき、指が弦から離れないようにしましょう。 指が弦から離れてしまうと、開放弦が鳴ってしまい綺麗にミュートができません。

開放弦のミュートは、人差し指から小指までの4指を弦に触れた状態で行うと綺麗にミュートできます。 指1本だけだと音が止まり切らないことがあります。 また、力が入ると押弦してしまい、音が鳴ってしまうので、リラックスして弦に触れてください。

これらができるようになると、休符を入れることができるようになります。 スタッカートといって、音を短く区切ることもできます。 休符が扱えると、リズム感のある、歯切れの良い演奏ができます。 反対に、ミュートをいい加減にしてしまうと、締まりのないダラっとした印象を与える演奏になります。 そのくらい、ベースにとって休符をコントロールできるかできないかは、重要な課題です。

音色を変える

写真のように、ブリッジ付近に右手の手のひらを当てて弦をミュートすることを、パームミュートといいます。 主に、ピック弾きや、親指でピッキングをするときに使います。

この奏法は、音を弱める効果もありますが、1960年代のようなベースの音を奏でたいときにはもってこいの奏法です。 実は、1970年前半くらいまでのベースには、板バネの先にスポンジを装着して、各弦へ個別対応型のミュート機能が備わっていたり、リア側のブリッジ・カバーの裏側に、スポンジ等のミュート材が装着されていました。 ミュートを装着すると、音の伸び(サスティン)が短く、丸い高音の少ないサウンドになります。 これは、エレキベースが、元々はウッドベースの代用だったため、いかにウッドベースに近い音が出せるかが重要だったことによるものです。

時代は変わり、野外のフェスティバルなどが盛んになると、大音量を出せるアンプが必要になってきました。 ロックやポップスでは、ギターも歪んだ音が求められるようになり、それに伴って、ベースもギターの音に埋もれないように、ミュートの必要性がなくなった、と考えられます。

しかし、1960年代のポップスなどを演奏したいときには、やはりそういう音が欲しくなるでしょう。 そんなときパームミュートができると、そういった音楽にも対応することが可能になります。

また、前段でも書きましたが、パームミュートは音を弱める効果もありますので、曲が静かな雰囲気のときに使用すると、曲の雰囲気ががらっと変わり、非常に効果的です。


こちらの動画も、是非ご覧ください。


次回以降は、「タイム感」について書いていきます。 是非楽しみにしていてください。

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