2019/6/26 リズム感 その⑫ - 心地良さとグルーヴ
さて、前回はリズムが良いこととは?について書きました。 今回は心地良さとグルーヴについて書いていきます。
皆さんが思う「グルーヴ」とは何ですか? 実はグルーヴって、人によってビックリするぐらい解釈が違うんです。 そこで今回は、私なりのグルーヴについて書いていこうと思います。
世間でのグルーヴとは?
1. グルーヴ=ノリ
私的には、楽器をやらないリスナーや、若い人がこの意味でのグルーヴを使うことが多い気がします。
音楽にノリがない、とか、リズムにノリが感じられない、といったときに、音楽にグルーヴがない、とか、リズムにグルーヴが感じられない、といった使い方をされています。
2. グルーヴ=ファンク
黒人が演奏するファンキーなノリのことをグルーヴ、という方がいらっしゃいます。
こちらは少し年配の方に多い気がします。
1970~80年代のファンク、ディスコミュージックが影響していると思います。
裏を強調したビートで、リズムがうねってるのがグルーヴ、ということのようです。
3. グルーヴ=テンション
リズム的にテンションが上がれば、何でもグルーヴだ、という方がいらっしゃいます。
8ビートのロック、ダンスミュージック、ジャズのスウィング... とにかくテンションが上がればグルーヴ。
ポイントは、リズム的にテンションが上がるか上がらないか、ということのようです。
ところで、Wikipediaを調べてみると、
ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。
語源は(アナログ)レコード盤の音楽を記録した溝を指す言葉で[1]、波、うねりの感じからジャズ、ファンク、ソウル、R&Bなどブラックミュージックの音楽・演奏に関する表現に転じた言葉である。
現在は、素晴らしい演奏を表す言葉の1つとして、ポピュラー音楽全般で用いられる。
とあります。
さて、皆さんにとってのグルーヴとは、一体なんでしょうか?
スタジオ録音とライヴ録音
様々なミュージシャンやバンドのCD、レコードには、スタジオ録音とライヴ録音があります。 当然、スタジオ録音の方が演奏が上手です。 しかし、演奏は雑なのだけれど、何かスタジオ録音よりライヴ録音の方が心地よい、と感じたことはありませんか?
皆さんの中には、スタジオ録音だけでは飽きたらずライヴに行き、前回「リズムが良いこととは?」で書いた心地良さ、
- 聴いていて楽しい
- 踊りたくなる
- カッコイイと思う
- また聴きたい
- 自分も演奏してみたい
という経験した方も少なくないでしょう。
しかし冷静に音楽を聴いてみると、特にスタジオ録音よりライヴ録音の方が、演奏が走っていることが多いです。 うっかりすると、スタジオ録音よりライヴ録音の方が、10BPMも20BPMもテンポアップしていることが少なくありません。 それなのになぜ、ライヴの方が心地よさを感じることがあるのでしょうか?
私が思うグルーヴ
そう思うライヴって、ドラムとベースのみならず、バンドメンバー全員が周りの音を聞き、お互いが合わせている瞬間です。 下手すると観客をも巻き込んで、会場全体が一つになっています。 私はこれが「グルーヴ」だと思っています。 黒人が演奏するファンキーなノリだけではなく、日本人が演奏するバラードにも、グルーヴは存在するのです。
私が4分音符で手を叩いたときに、生徒さんに「一緒に手を叩いて見てください。」とお願いすると、生徒さんも一緒になって手を叩き始めました。 そのとき、初めの1、2回はバラバラでしたが、3回目くらいから徐々に私と合っていって、5回目くらいからは完全にシンクロしました。 なぜ徐々に私と合っていったのでしょうか? それは、生徒さんが私の手を叩く音を聞いて、そのタイミングに合わせたからです。
バンドでお互いが合わせる、というのは、楽器のコントロールができないと中々難しいかもしれません。 しかし、そのことを理解して演奏していると、心地よいグルーヴを感じることができる瞬間がやってきます。
さあ、皆さんも、周りの音を良く聞いて、心地良さを体感してみてください。
こちらの動画も、是非ご覧ください。
次回は、「リズム感」、リズム練習が楽しくなる方法について書いていきます。 是非楽しみにしていてください。