2020/6/20 スケールとコード その⑨ - カノン進行と分数コード その①
さて、前回は5度音程のトレーニングフレーズ、について書きました。
今回は、カノン進行と分数コード、について書いていきます。
皆さんはカノン進行をご存じですか? カノン進行とは、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」で使われているコード進行のことで、ポップスやロックでは定番のコード進行となります。
ところで、カノン進行の曲の感じをなめらかにしたいとき、ベースの存在は欠かせません。 では、ベースをどのように弾いたら、カノン進行の曲の感じをなめらかにすることができるでしょうか?
ここでは分数コードの使い方を交えて、説明していくことにします。
カノン進行
カノン進行とは、下記のようなコード進行のことをいいます。
いかがですか? 聴いたことのあるコード進行でしょう?
多少のアレンジはありますが、例えば下記の曲で使われています。
- マリーゴールド / あいみょん
- クリスマス・イブ / 山下達郎
- 木綿のハンカチーフ / 太田裕美
- ENDLESS RAIN / X JAPAN
- 糸 / 中島みゆき
- 少年時代 / 井上陽水 …
分数コードとは
本来コードは、C や Am7 のように書きますが、分数コードは、C/E や Am7/G のように分数の形で書いたり、C on E や Am on G と書くものを指します。
分母にあたる音がベースの音で、分子にあたる音がコードの構成音となります。
つまり、分数コードは「ベースの音を特に指定したコード」ということになります。
具体的に言うと、C/E あるいは C on E とは、コードは C だけどベースはルートの C ではなく E を弾きなさい、という意味になります。 同様に Am7/G あるいは Am on G とは、コードは Am だけどベースはルートの A ではなく G を弾きなさい、という意味になります。
ルートのみで弾いたカノン進行のベースライン
「スケールとコード その⑥ - ルート、3度、5度を使ったベースライン」 では、小節の初めの音(コードが変わるときの最初の音)はルートを弾いて、残りの音に3度、5度を割り当ててみましょう、と書きました。 もちろんそうすることで、しっくりしたベースラインになることは間違いありません。
それでは、上のカノン進行のコード譜を、ルートのみで弾いてみましょう。 ここではあえて、3度や5度を入れないで、ルートだけのベースラインにします。
いかがですか? しっくりした曲になりましたが、なめらかではないようです。 この曲の感じをなめらかにするには、上記で説明した分数コードに秘密が隠されています。
まず、2小節目の G に注目してください。 G のコードトーンは、G(ルート)、B(3度)、D(5度)でしたね? このときのポイントは、まず G の3度が B だということに気がつくことです。
このことを参考にして、皆さんご自身で、曲の感じがなめらかになるベースラインを作ってみてください。 答え合わせは、次回のレッスン講座で行います。
こちらの動画も、是非ご覧ください。
次回は、「スケールとコード」、カノン進行のベースライン例、について書いていきます。 是非楽しみにしていてください。